福島工業高等専門学校 - 独立行政法人国立高等専門学校

いじめ防止・自殺予防講座を実施しました

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 1113() 本科2年生を対象にいじめ防止・自殺予防講座を実施しました。これは、クラスの人間関係が学校のみならずSNSなど外の世界にも広がる中、一人ひとりが自分の居場所や関係性について考えるきっかけとなるよう企画したものです。

 ご講演いただいた医師の関義元先生は、救急や総合診療の現場を経験したほか、今年9月まで茨城県で医療相談所「はなそう」を運営されており、「話す」「聞く」を軸として医療の枠を超えた社会的活動を展開されています。

 講演では、まず「居場所づくりの難しさ」や「現状から抜け出すことの困難さ」について触れられました。関先生は、医療現場で出会ったある若者のエピソードを紹介。毎日のように来院していたその方が、数ヶ月後に凛々しい表情ですれ違ったことに驚いたという経験から、「人は知らず知らずのうちに成長していることがある」と語られました。

 また、「話しても分かり合えないことがある」「言葉にできない悩みもある」といった、人間関係における葛藤や限界についても率直に共有されました。それでも、「話してみないとわからないことがある」「自分に危険が及ぶ相手からは逃げるべき」といった、自己を守るための大切な視点も提示され、学生たちにとって安心して人と関わるためのヒントが散りばめられた内容となりました。

 講演の終盤では、「守ってくれる大人がいる環境にあることの大切さ」についても言及されました。先生やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど、学校には生徒を支える専門職がいることを改めて伝え、同席された担任の先生には、「言葉にならない悩みも、場を通じて少しずつ解消されていく」とお話いただきました。

 今回の講座は、学生のみならず、教職員にとっても、自分の居場所や人との関係性について考える貴重な機会となりました。

 

写真(いじめ防止・自殺予防講座を実施しました).JPG

講座の様子

Experience at
Fukushima KOSEN

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