福島工業高等専門学校 - 独立行政法人国立高等専門学校

校長のあいさつ

校長のあいさつ

 ようこそ!福島工業高等専門学校へ

校 長  田 口 重 憲  

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 令和年度の入学式は、5年ぶりに体育館に一同が会し開催することができました。吹奏楽部による国歌・校歌の演奏も復活し、新型コロナウイルス感染拡大による活動制限も一区切りとなったことに感慨深い思いに浸りました。コロナ禍において、これまで、入学式及び始業式の簡略実施などの学校運営にご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。新型コロナウイルスだけでなくインフルエンザの流行も昨年ありましたので、学生の健康に配慮した学校運営に引き続き努めてまいります。

 福島高専は、五年一貫の専門教育を施すユニークな高等教育機関として、これまで約9,800名の実践的技術者を社会に輩出してきました。現在も、社会の急速な変化に対応しつつ、創造性のある実践的技術者の育成に向け様々な取り組みを行っています。そして、令和6年月には、本科卒業生198名の内、89名が大学三年次への編入学や本校の専攻科に進学し、99名が民間企業や地方公共団体等に就職しました。また、専攻科修了生27名が大学改革支援・学位授与機構から学士の学位を授与され、内2名が大学院に進学しました。

 更に、昨年度は、学生は、様々な場で活躍しています。高専ロボコンでは東北地区で準優勝、全国大会では特別賞を受賞、廃炉ロボコンで特別賞、全国高専デザインコンテストでは、構造デザイン部門で審査員特別賞、プレデザコン部門で最優秀賞、インフラテクコンでチャレンジ賞、高校生ビジネスプラン・グランプリでは五千を超えるプラン中で昨年度に引き続きベスト100に選出されました。全国高専将棋大会では年連続の準優勝。また、研究活動ですが、各種学会で、学生が大学生のみならず研究者と競い、様々な賞を受賞しています。学生たちはこのように、全国トップレベルの活躍を続けています。

 さて、福島高専では、令和元年度より「持続可能な社会発展を目指し、グローカルに活躍する次世代技術者を育成する」を新しいスローガンとして、以下に掲げる四つの視点を推進しています。

 一つ目は、「持続可能な社会」という視点です。これは、本校の学習教育目標冒頭にもあります「持続可能な社会」を構築するという目標に向かって行動するということです。今、SDGsとして国連が提唱する十七の目標は、一国だけではなく、人類全体が、豊かに、かつ幸せに暮らしていくための方針となっています。日本国内のみならず世界中の人々の共有の価値として位置づけられるこの概念を、本校の学生に学んでもらい、将来正しい道を進んでいける人材育成に取り組んでいます。

 二つ目は、「グローバル」という視点です。これから日本を背負う若者は、世界の人たちと情報交換をし、あるいは国際会議などの場でしっかりと意見を伝えることが出来るなど、世界的な視点をもって活躍することが求められてきています。コロナ禍での制限がなくなりつつあり、海外での留学や語学研修、インターンシップなどを体験する機会も戻ってきました。

 三つ目は、「ローカル」という視点です。本校はもともと地域に根ざした教育機関として発展してきました。今、東日本大震災から13年が経ちましたが、震災復興のニーズ、特に、福島第一原子力発電所の廃炉には数十年かかると言われており、福島復興を担える人材を育てることも本校の重要な課題の一つと考えています。福島高専は、国及び県から全国高専トップクラスの外部資金を獲得し、多くのプロジェクトを手がけながら、福島復興に向けた人材育成にも取り組んでいます。

 四つ目は、「次世代技術者」という視点です。さて、これから我々が生きていく社会は、「超スマート社会」であります。これまで人間が手掛けてきた仕事がAI IOT技術にとってかわられることが予想されます。その中で生き抜くために、次世代でも活躍できる人材を育成すべく取り組んでいます。

 福島高専は、一昨年60周年を迎え、新たなスタートを切りました。60周年を契機に、更なる発展を目指し、様々な新しいことに取り組み始めました。例えば、共創、英語でCo-Creationの場となる「福島高専コモンズ」の整備。正面玄関、そして、それに続く中庭、磐陽会館の階は、ずいぶんと明るい、集いやすい場所になりました。地元企業と協力したキャリア教育の充実を図るとともにアントレプレナーシップ科目の全学科での開講も始めています。昨年末にモノづくりの「工房」部分がプレオープンし利用を開始していましたが、春休み中に「スタジオ」部分が完成しました。名称を「磐陽テックガレージ」として本年、本格的に稼働させます。ガレージは、学科、学年を問わず学生は利用することができます。学生たちに積極的に活用してもらいたいと考えています。

さらに、昨年4月に設立された「福島国際研究教育機構(F-REI)」との連携など、地域に根差す高専として地域とともに発展を目指すための様々な取組を開始しているところです。これらを通じ、福島復興、ひいては日本経済復興に資する次世代人材育成に貢献していきたいと考えています。

 今後も引き続き、地域に根付き、世界を視野に入れた取組ができる福島高専であるために、教職員一同、日々努力を重ねてまいる所存ですので、皆様のご理解・ご協力、ご支援を重ねてお願い申し上げます。

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